種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.03.10【Vol.312】
写真教室の指導で都内近郊の街スナップや、公園で見つけた小さな風景を撮影する機会が多いのですが、一度訪れた場所でも再度訪れるとまた新たな被写体の発見があります。常に広い目線で被写体を観察していなければならないなと気付かされます。初めての場所であれば目新しさに心奪われ、被写体に依存しがちですが、やはり基本はどんな被写体であれ、じっくり観察してからシャッターを切ることだと思います。自宅の近所や、通い慣れた場所だと、一見目新しさは少なく感じるかもしれませんが、そんな場所であっても、まだ見ぬ被写体をたくさん見つけることができるかもしれません。
作例はつい先日、写真教室の撮影指導で訪れた銀座や西新宿で見つけたビル郡の写真です。都内でも有名な撮影場所で、ビルの持つ独特のかたちや、無機質な存在感を写真で表現するととても面白いので、個人的にも何度も撮影に訪れている場所です。そういう点ではいつも見慣れた景色の一つと言えます。今回の写真教室に参加された生徒さんも、様々なアングルや構図で撮影され他のではと思います。一方で、写真教室や撮影会となるとどうしても似たような構図で同じような作品といったものも増えてしまいます。参加者が同じ被写体に一斉にカメラを向けるという撮影会でよく目にする光景ですが、そんな中でも自分なりのフレーミングを行い、露出補正やWBなどでフィルターの有無などを加えて一枚の作品に仕上げることは大切だと思います。
「被写体を見つける眼」を広げて色々な角度から被写体を切りとって見ることが撮影の第一歩なのかもしれません。