種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2017.05.26【Vol.323】
動く被写体は止まって写るものの、スローシャッターを用いて背景をぶらす(流して)ことで写真のなかの動感を表現して撮影できる流し撮り。新しいカメラのテスト撮影や、撮影会ツアーなどでここ最近「流し撮り」に挑戦する機会が沢山ありました。そんななか、日中の流し撮りももちろん面白いのですが、夜の光と絡めた流し撮りも面白いのではと考え、夕暮れ、夜の飛行場に赴き、離陸する航空機を流し撮りしてみました。
流し撮りは普通の撮影とは異なり、自分自身が被写体の動きに合わせてカメラを左右に動かす動作が加わるので、最初のうちは難しいかもしれません。被写体の動きはもちろん、被写体との撮影距離、レンズの焦点距離によってもカメラを動かす量が変わります。またシャッター速度が遅くなるほどキレイに背景が流れてくれるのは言うまでもありません。飛行場での流し撮りの場合、夜間に光る誘導灯などの光をキレイな光跡として長く見せるためにはかなり遅いシャッター速度に設定しなければなりません。離陸の場合は徐々に加速していくので、それに応じてカメラも正確に動かす必要があります。速度変化がある流し撮りはこんなに難しいものなのかと改めて実感しました。
今回撮影したカットはシャッター速度0.3秒及び0.5秒で撮影したものです。三脚は使用せず手持ちで撮影しているので、カメラの縦ブレを起こさないように注意しました。しかしながら、拡大してみると若干のブレも見受けられます。また連写で撮影してもファインダーのブラックアウトの時間が長く、飛行機が動いているタイミングをつかめないので、結局のところ1枚ずつ撮影しています。AFモードはAIサーボ(ニコンはAF-C)に設定しています。ほとんどの設定はカメラに任せてカメラを動かしながらシャッターをきることに専念しているのですが・・・。飛行機はもとより、鉄道、スポーツなどを専門に撮影されている知り合いのカメラマンの技術の高さにはいつも「すごいな~」と感動しているのですが、やはりちょっとやそっと真似しただけではうまくいくわけありませんね。