種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.06.07【Vol.119】
「花菖蒲を撮影してみよう」の話にもあるように6月頃(初夏)から見られる花がいくつもあります。公園などを歩いていると花菖蒲はもちろん、アジサイ、桔梗、ホタルブクロなどの花をよくみかけます。6月にもなれば日本列島の殆どが梅雨入りになります。そんな少し静かで曇りがちな天候に合わせたかのように花の色も淡くなるのでしょうか。すがすがしく晴れ渡る天気の中での撮影もいいですが、ちょっと我慢して薄曇りや小雨の降る中の撮影にもチャレンジして見ましょう。
太陽の光が強く当たる晴れた日よりも薄曇りの天気のほうがカメラの露出は決定しやすいことは以前にも述べていますが、淡い色を再現するにも薄曇りのライティングは効果的で、また、花びらが薄く光が透けてしまう花でも同じことが言えます。デジタルカメラであればホワイトバランスの調整をおこなうことでも色みの変化を見ることができますが、まずは太陽光やオートWBで撮影してみるといいでしょう。天候に合わせて日陰や、曇りモードにセットしても、どうしても画像に赤みや黄色味が出てしまうからです。
使用機材は広角レンズよりは70-200mm程度の望遠ズームや100mm程度のマクロレンズがあると便利です。画面全体に広がる菖蒲田もにぎやかでいいですが、背景や木道などの写り込みなどの処理が難しく撮影位置が極端に制限されるので、初めはアップ気味で撮影するといいでしょう。なお、一般的に花の撮影ではしべにピントを合わすのですが、花びらの形が特徴的な菖蒲や、ホタルブクロのように花芯が下を向いている花は花びら自体にピントを合わせます。基本はたくさん咲く花の中でどれがターゲットなのかを明確にして画面が散漫にならないよう注意です。