種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.07.19【Vol.125】
夏をイメージさせる被写体に海があります。広々とした夏雲と海、波の動きや波打ち際、砂浜と海など同じ場所でもいろいろなシーンに出会うことができます。
撮影時に必ず心がけておきたい注意点として、水平線の傾きです。望遠、広角問わず少しの歪みが画面のバランスを崩してしまうので注意します。画像処理での傾き補正も行えますが、傾き角度に応じて周辺のトリミング量が増えていきますので、撮影時にしっかり撮影します。WBは昼間の時間帯であれば青空の色がしっかり出る太陽光モードが適していたりしますが、遮蔽物の少ない海での撮影は光線状況が時間帯で大きく変化しますので、WBをチェックしながら最適な色味を見てください。また、日なたでは液晶モニターが見えづらくなるので、液晶モニター用ルーペを持参すると良いでしょう。
波打ち際を撮影する際は、波にピントを合わせるか砂浜にピントを合わせるかで印象が異なります。波打ち際ですのでピントはどちらでもOKですが、砂浜の細かい砂粒のディティールなのか波の一瞬の動きなのか、構図をあらかじめ設定しておいた上で主題を明確にして撮影します。
海とひとくくりに言っても範囲は広く、ただ広い景色ばかりでは面白くありません。要所要所に特徴的なシーンが見えてきます。風景写真である以上、被写体の状況に臨機応変に対応する柔軟な撮影スタイルが必要だといえます。