種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.09.13【Vol.133】
小物の撮影の話でもふれたように、テーブルフォトと呼ばれるような室内でアクセサリーやスイーツなど小さな被写体が手軽に撮影できるようになりました。マクロレンズなど特殊性の強いレンズも比較的身近な存在になり、また、外へ出かけなくとも手軽に楽しめる被写体として人気です。一方アクセサリーやスイーツだけでなく、毎日出される料理を撮影するのもまた面白いでしょう。料理というテーマは一貫しており、また毎日変わる内容によりバリエーション豊かな撮影を楽しめます。
撮影方法は、いたってシンプルな食卓に並べられた料理全体を上から狙ったもの、部分的にクローズアップしたものに分けられます。全体を狙った撮影の際に注意したいのはお皿のデフォルメです。広角レンズで近づいて撮影すると丸いお皿は歪んで見えてしまいます。見えたままに丸いものは丸く、四角いものは四角く撮影したいところ。望遠レンズとまではいきませんが、焦点距離50mm以上で狙うことで被写体の歪みは目立たなくなります。
また、全体を通して言える事ですが露出は明るめにして撮影するのもコツです。カメラの液晶で明るく見えても実際の露出はオーバーに仕上がっていないことも多くあります。カメラの背面液晶だけを頼りにせずプラス側に何枚か補正して撮影しておくと良いでしょう。露出に関連して、絞りをどうするかも重要です。テーブルフォト同様料理も比較的小さな被写体です。画面全体にピントを合わす場合、F22などかなり絞らなければなりません。一方で1つの料理にクローズアップする場合は背景をぼかすことも考えられます。どちらがベストというわけではなく、並べた料理をどのように見せるかという表現にバリエーションをもたせることも大切です。
そしてもう一つ注意したいのが色味です。多くの場合はWBの調節で見た目に近い印象に仕上げることができます。気をつけたいのは、ある一定の光源の中でずっと撮影していると目がその色に慣れてしまって、撮影画像の色味の判断が鈍ってしまうということです。後でPCで確認すると緑が強かったり黄色や赤色がかっていたりと補正が必要になることもしばしばあります。細かな設定がわからないときはまずオートWBで撮影した画像をもとに、撮影した場所(自宅など)ではどういった色に偏りがちなのかを確認しておくと良いでしょう。