種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.10.11【Vol.137】
日照時間の短さを徐々に感じるとともに、一日の撮影時間も短くなってきます。風景写真の場合、朝陽から夕陽までを一日の撮影で狙うことが多いので、日の長い夏場は大変です。 ただし、多くの場合は毎日撮影するわけにも行かず、限られた時間の中で撮影を楽しむのが常です。
そんなときにわずか1時間の間で光の変化を楽しめる、朝夕の撮影もオススメです。朝夕の赤い光や日が上る直前、直後の空の色など日中では決して見ることのできない光のグラデーションを楽しめます。特に日の出直後、日の入り直前は朝夕の陽の光は相対的に色温度が低くなります(4000K~2500K)。そのため、全体的に赤みがかって空の色は見えます。ただ、カメラのWB設定をオートにしているとその赤みを補正してしまうのであまり朝夕の赤い光の様子は出てくれません。赤みを持ったままで写真を表現したい場合はWBの設定を太陽光(5600K付近)や曇り(7000K)にセットしておくことが肝心です。
もちろん太陽そのものを狙ってもいいのですが、太陽が昇る前や沈んだ直後の空の色もちゃんと撮影しておきます。また、肉眼では明るく感じられても、絶対的な光の量は少ないので、手持ち撮影に頼らず三脚レリーズの準備もしておきましょう。それと、一定の方角のみを狙わず、常に雲の様子を観察して少しでも光や色のグラデーションのある部分を狙っていくと効率的に写真を撮影できます。 わずかな時間で楽しめる、朝夕の撮影にチャレンジして見ましょう。