種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.07.12【Vol.124】
滝の撮影は季節を問わず行えます。周辺で見られる季節の模様とともに同じ滝でも違った様子で見えることから、写真愛好家にとっては恰好の被写体なのではないでしょうか。
陸地面積のほとんどが山という独特の地形から日本列島は水に恵まれ、そのため数多くの滝があることでも有名です。昨年の冬の滝の話では袋田の滝の作例をお見せしましたが、古くから滝の名所として景勝地に指定されている場所もあれば、人里はなれた所に突然現れる素敵な滝もあります。一般的な風景と違いどこでも撮影できるわけではなく、わざわざそこに出向いて撮影するという行為自体に魅力があります。もっとも、モチーフがはっきりしているので何を撮影していいのかわからない、ということにはならないので初心者の人から楽しめる身近な被写体ともいえます。
ただし身近な被写体とはいえ、有名な観光地では周辺の整備がされ多くの人がいて安心感がありますが、多くの滝はそうではありません。当然川の流れがあり、足場も不安定です。大雨の後など水量が増して滝の迫力は出ますが、その分危険も増えます。慣れない間は一人で行かない、無理をしないというのは撮影における共通の注意事項です。
滝撮影の簡単なテクニックは冬の滝の話のところにも書いていますが、どうしても滝撮影は縦位置が多くなりがちです。構図に変化をつけるために全体だけを捉えずに部分的なアップで見せるのも手です。そして水の動きをシャッター速度で調整する。スローシャッターで狙いたい場合に便利なアイテムは8番(露出幅3段分)のNDフィルター、高速は1/250以上を目安に設定すると良いでしょう。もちろん三脚とレリーズは必須です。撮影アイテムとしてはかさばって操作が面倒な三脚ですが、安定した構図とやはりブレの防止に大きな効果を発揮します。
各地方に出向いた際は近くで見つかる滝にちょっと足を伸ばして撮影して見てはいかがでしょうか。