種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.05.03【Vol.114】
3月下旬~梅雨時期にかけてみられる新緑の青々とした様子は見ているだけでも気持ちのいいものです。ハイキングコースや公園の遊歩道などを歩いていると目の前や頭上に広がる緑一色、そしてそこに射す陽の光の輝きにはいつも目を奪われてしまいます。新緑の様子を写真に収めてみるのは楽しく、そして特別な機材もなく手軽に撮影できる被写体としてもオススメです。
公園などを歩いていると、頭上を見上げるとあたり一面新緑という情景に出会うと思います。そんなときはまず広角レンズで画面いっぱいに逆光気味で新緑を捉えてみましょう。逆光で撮影すれば葉っぱの輪郭が輝き、葉っぱを透けた光がきれいな緑を演出してくれます。この際、太陽の位置を確認します。直接太陽を画面に入れてしまうとカメラ任せの露出ではどうしてもアンダーになってしまうからです。太陽を画面からわずかにフレームアウトさせるのも一つの方法ですし、太い樹の幹で太陽を隠す方法も考えられます。露出は多くの場合プラス補正(プラス1以上を目安に)すれば新緑の明るい緑が再現されます。また、樹の幹を画面にどの程度配置するかにも注意します。画面の対角線に樹の幹を入れることで高さや広がりを表現できますし、樹の幹に添って狙うのも一つの方法です。
そして緑を表現する上で大切なのがWBです。カメラ任せのオート、プリセットの太陽光とこの二つを比べるだけでも緑の色合いは大きく異なります。好みによるところも多いですが、太陽光での撮影のほうが緑の濃さを表現できることが多いようです。
しかし、どの程度の緑色で満足できるのか、撮影時と家に帰ってPCで確認したときではイメージが異なります。RAWで撮影してあとで調整ということもできますが、デジタル写真では実のところ、緑の領域を幅広く階調豊かに見せるのはちょっと難しいのです。プリントして見せるのか、WEB上のみで閲覧するのか、カメラとはまた別の環境も考慮しなければならないのですが、それはまた、画像処理のところでお話できればと思います。