種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2013.09.20【Vol.134】
撮影しやすく身近な被写体として挙げられる雲の写真は、季節感を持った被写体としても表現できます。うろこ雲、いわし雲、巻雲、入道雲など夏から秋にかけてよく見られる雲ですが、昔から形や様子を上手く捉えた呼び方があります。季節や天気、そして時間帯によってさまざまな形に変化する雲の撮影は自宅のベランダなど身近な場所で簡単に撮影できます。もちろん飛行機の窓から見える雲の様子も見ていて飽きません。
広角~望遠どのレンズをとっても撮影が可能で、基本的に空へカメラを向けるので日中であれば手ブレの心配もほとんどありません。カメラを買ったその日から撮影できるもっとも身近な被写体です。デジタルであればカメラ側でWBを調整するだけで色の変化をもたせたりできますし、またモノクロでの表現もおもしろいでしょう。毎日同じ時間帯に一枚ずつ同じ場所から定点で撮影するのも一つのパターンで、365日365枚の雲や空の違った様子が集まれば立派な作品群になります。
露出は夕方や朝方の場合、若干アンダーにしてコントラストをつけると雲の様子がはっきりでて立体的になります。ただし、朝焼け夕焼けの色も同時に濃く出てしまいます。また、晴れている日中はプラス側に補正しておきます。補正無しだとどうしても写真は暗くなってしまいます。薄い雲と明るい空との微妙なグラデーションが撮影時でだけでは上手く再現できない場合はPC上での画像処理も必要です。ただし彩度や色の濃さなどのパラメーターを調整しすぎる(動かしすぎる)と、単純に派手な印象の空模様になってしまいますので注意します。明るいところと暗いところの差「コントラスト」の調整や明るさ補正だけで多くの場合は解決できます。