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種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー

2013.09.27【Vol.135】

クラシックカメラ話「旭光学工業 ペンタックスSP」

ペンタックスSPとS2

1960年のドイツで行われたフォトキナで発表されたペンタックスSPは、TTL露出計内蔵一眼レフとして1964年に発売が開始されました。名称のSPは「スポットマチック」のイニシャルですが、露出計の測光方式は当初予定されていたスポット測光ではなくスクリーン全面の平均測光となっています。当時のCdS露出計の精度の為かわかりませんが、腕木式のCdS部分が飛び出し、その部分でのみ測光する露出計から設計が変更されたようです。

また、現在では主流となっているレンズ開放測光ではなく、撮影時、絞りにまで絞ってから測光するいわゆる絞込み測光方式が採用されているので、露出計スイッチが入っているときはファインダースクリーンが暗くなってしまいます。クイックリターンミラーは当然装備され、ファインダーはプリズム使用の至ってシンプルな一眼レフカメラでレンズマウント左脇に露出計スイッチが取り付けられています。ゴム引き布膜横走りフォーカルプレーンシャッターでシャッター速度は倍数系列でB、1~1/1000まで設定できます。レンズマウントはプラクチカスクリューマウント(M42)ですので、国内外の多種多様のレンズが装着可能で純正レンズだけではない、交換レンズでの撮影の楽しみもあります。

約10年間製造されたペンタックスSPは生産台数が非常に多く、中古市場でも数多く目にすることができます。露出計電池室の液漏れなどを多く見かけますが、約50年前のカメラでありながら比較的耐久性は高く、機械的にスムーズに作動して写真撮影を行うことのできるボディーも多く見かけます。発売当時の価格は50mmレンズ付きで約50,000円。当時でも高嶺の花でしたが、高級機であるニコンに比べればずっと安く、日本の家庭に一眼レフを浸透させた記念すべき大衆モデルといえるでしょう。

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