修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.10.25【Vol.1016】
ゴムアダプターを利用して社名環を外します。
コンパス・自在コンパスを利用して前群レンズを外します。
3本のネジを外し、前枠を分離します。
ネジと前枠との間に緩み防止の座金が入っていますので紛失に注意します。
次に分解するには最小絞り径を確認しておきます。
大凡#4ドライバーと同じ幅になります。
(1)~(3)のネジを外して鏡筒を分離しますが、組み込み位置に寄りましては絞り開放口径に違いが出ます。
一つの目安として罫書き線を入れてから外します。
絞り開放口径は後群レンズの有効径と同じ径にしなければなりません。
一つ手前(画像:Super-Takumar 55/1.8 4)の最小口径と合わせて調整します。
無限位置にて罫書き線を入れてから(1)~(3)のネジを外し、距離環を分離します。
最終的な無限位置出しはカメラ本体に取り付けて確認をします。
1)無限位置が入り過ぎた場合(所謂後ピン)
距離環を近距離側に回転させカメラ本体側の焦点板上の無限位置を探します。
無限位置を確認したら、ヘリコイドを動かさないようネジを緩め距離環を無限位置に動かして固定します。
2)無限位置が足らない場合(所謂前ピン)
3本のネジを緩め距離環を近距離側に回し固定し無限位置を確認します。
無限位置が確認できましたら(1)と同じ作業を致します。
製造から長い年月を経過しています。距離環に貼り付けてある距離表示板が剥がれている事があります。全面的に剥がれて無ければ現状を変えずに剥がれている箇所を接着し輪ゴムで固定します。その後、再接着箇所以外を剥がし処置をします。
被写界深度環を止めている3本のネジ(赤○部)を緩め分離します。
被写界深度環を外したことで絞り値環が外れます。
絞り値環を外すに当たりクリックの鋼球が入っています。
入っている位置は赤点線位置です。指を添えて飛び出しを防ぎ絞り値環を前方に移動させます。鋼球は別途保管しておきます。
赤○部の3本のネジを外すとヘリコイド部とマウント部とに分かれます。
直進キー止めネジの緩みを確認します。
絞り羽根粘りの原因の一つに赤○部の絞り作動ピンがありますので作動感を確認しておきます。
マウント部とヘリコイド部を合体させる時は、両者(赤丸部)の組み込み位置を合わせます。前後のレンズ清掃は記述しませんが、状況を見極め分解清掃致します。