修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.03.08【Vol.928】
底カバーを外しますと水銀電池からの漏液で腐食しています。
長期使用しない場合は電池を外しておきましょう。ボーイング787のイオンリチュウム電池の電解液流出は大事故に繋がりますが、水銀電池による漏液は貴重な民具の消滅に繋がります。
何とか力ずくで電池蓋を外すことが出来ました。
腐食した部品を洗浄剤で錆落としをします。
ねじ切り部はダイスを使用し腐食部を落とします。
洗浄した部品を組み込みました。でも、スローガバナにも腐食が見られ動作確認できません。
スローガバナを分離した所です。漏液による腐食が広範囲に広がっており再生が難しいです。
大事に保管しておきましたスローガバナと交換致し、貴重な民具を救うことが出来ました。
水銀電池は陽極に酸化水銀、陰極に亜鉛、電解液に酸化亜鉛を飽和した水酸化カリウム液を用いています。電池の寿命が尽きますと亜鉛との化学反応により水素ガスが発生膨張して容器から漏液します。漏液は強いアルカリ性で金属を腐食させます。
又、発生した水素ガスはマイナスに引き寄せられ、陰極端子に取り付けられたリード線がスローガバナ組み品の下側を走っている事が多大な腐食をもたらしたのです。
大切な愛機、貴重な民具に電池が使用されている場合、電池を外して頂きたい物です。