修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.04.26【Vol.947】
シャターが切れない症状なのです。分解すると遊び人の部品(B係止板)が出てきました。
何処へどう納まるのか?誰が遊び人にしたのか?履歴を辿るわけには行きませんね!
遊び人のB係止板を観察しますと一つの穴と何かの部品が咬合する切れ込みがあります。
確認の為にレリーズレバーを外しましたら、裏側にピンが取り付けられていました。そしてピンの太さとB係止板の切れ込みの幅が一致したのです。この組み合わせで良いのか?残るB係止板の穴は何処に納まるのか?
思い出せないまま日付が替わり、脳を休ませるとB係止板の赤○部の突起に見覚えがあるのです。過去の画像からCITZEN-MXVを見つけてきました。
仕様の部品点数から一世代前と思います。セット軸に取り付けられている突起(赤○部)が遊び人のB係止板の突起と形状が似ています。
では、B係止板にある穴は何処へ納まるのか?付近を観察した結果、赤○部が僅かに突出していました。十分な長さがあるのだろうか?
取り敢えずB係止板の穴に合わせてみました。一致しました。
其れではとレリーズレバーを納めてみることにします。
レリーズレバーとB係止板を咬合させ秒時Bにて動作させたところです。
B係止板の突起がB係止連絡レバーを邪魔してシャター羽根が開放になりました。
確実な動作確認をする為、他の部品の陰になっている部品を外し役割を確認します。
B係止連絡レバーの一端はB係止板の突起(赤○A)により、係止されています。
もう一端のB係止連絡レバーの一端(赤○B)はセット軸回転の動作を係止しています。
結果、遊び人部品、B係止板の組み込み位置が正しいことになりました。
全ての部品を組み込み終わりました。
秒時カム盤を秒時Bの位置に組み込んだ所です。
B係止連絡レバーに取り付けられている突起は秒時Bの位置(赤○部)で働くようになっています。
その他の秒時の場合、B係止連絡レバーに取り付けられている突起は作動を押さえられ、減速歯車組み品(スローガバナ)により秒時が変化していきます。
言い訳ではありませんが、CTIZENシャターは希にしか手を掛けません。オマケにB係止板が裏返しに取り付けられていまして、構造を理解するのに時間が掛かってしまいました。それは、隠居人が加齢により過去の情報を読み出すのに時間が掛かったのが原因のようです。