修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.02.22【Vol.923】
鏡筒が曲がったように取り付けてあります。でも、ヘリコイドの回転に不具合がありませんでした。外観を観察すると線引きしてありました。
誰ぞが分解するのに印を付けて消し忘れのようですが、距離環を曲げて取り付けてしまったようですね!又、測定器が無いので印を付けたようです。
距離環を止めている5本のセットネジを外し、前群レンズヘリコイドを外します。
前群レンズヘリコイドを分離しますと、新たに2ヶ所の印がありました。
溶剤を隙間に流し反射防止盤を剥がします。内ヘリコイドを止めている4本のネジを外し分離します。
1)ズームカム筒を止めている3本(画像では(1)のネジしか見えていません)のネジを外します。
2)ズームカム筒を上に持ち上げますとズームカム筒軸がズーム作動環より外れます。
3)次にズームカム筒を回転させます。
4)ズームカム筒の一部がカット(右上填め込み画像)されており、ズーム作動環から外すことが出来ます。
(1)~(3)のネジを外してバヨネット環を分離します。
(1)~(3)のネジを外しますと、三脚座取り付け環が外れます。
次に絞り値環が外れますがクリックの鋼球に注意します。
絞り値環の凸部は絞り値カム環の凹部に咬合します。
①~③のネジを外し、後群レンズ筒を分離します。
後群レンズ筒で押さえられていた絞り込み環の引っ張りバネを外して絞り込み環を外します。開・閉クリックの鋼球ありです。
後群レンズ筒に後群レンズが納まっています。後群レンズは2本のセットネジで固定されておりますが、後群レンズは完全締め付けされていません。
つまり焦点調整して途中で固定してありますから、無闇に外しますと機構上焦点がずれてしまいます。
絞り値カム環・ズーム作動環を分離します
絞りはね組み品は絞り筒室の横からの4本のセットネジで固定されています。
組み立て時に絞り値開放位置の確認が必要になります。
押さえ盤の(1)~(4)のネジを外すと絞り羽根部の洗浄ができます。 距離環が傾いて取り付けられた経緯は不明ですが、念のため完全分解して再組み立てをしてしまいました。 先の?の印ですが、分解の過程で目印を付けることはあります。完了後は消しておきましょう。