修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.04.19【Vol.944】
ナマケモノが住み着きましたM42マウントを見つけました。ナマケモノとは動作が緩慢な哺乳綱貧歯目ナマケモノ科に属する動物で羽根油による作動の緩慢さに隠居人が例えているのです。定石として社名環をゴムアダプターで捻ってみましたら外れたのです。
3本のネジを外し、前環を分離します。
前環が外れましたので前群レンズの掴み所が出来、外しやすくなります。
(1)と(2)のネジを外して押さえ環を外せば絞り値作動環が外せると思いましたが、外れませんでした。
作業中に羽根がバラけてはいけないので押さえ環を元に戻しました。
後群レンズを外してみました。
赤数字(赤は外してはいけないことを現しています)の3本のネジが見えました。
良く観察しますとネジ頭より大きな楕円穴になっています。
楕円穴が意味している理由は、3本ネジで固定されている部品の位置出しがされていることになります。間違って3本とも緩め動いてしまった場合は絞り径再調整をしなければなりません。
次に何処から分解するのか?考えてしまいました。
参考になりましたのが、同じM42マウントのタクマーでした。タクマーの場合は、マウント部と鏡筒部を分離するには、もそっと部品を外すことになります。
慎重を期して被写界深度環にある3ホンネジの内2本を外しました。そして残りの1本を緩めたのです。
するとマウント部と鏡筒部が分離できる動きをしたのです。そして、ネジを外しました。
マウント部と鏡筒部に分離できました。
組み込む際は、絞りカムレバーと絞り値作動レバーに絞り値作動ピンを咬合させる必要があります。
絞り値作動ピンを止めている2本のネジを外します。
絞り値作動環を外した後、絞り羽根を外すわけですが油分で粘着している場合があるので気を付けます。
粘着が見られる場合は、マウント側から絞り羽根のダボを突くと痛めないですみます。
2個取り付けられている直進キーと鏡筒間にも油分の湿潤入り込んでいます。
先ず一つ外して清掃をして取り付け後に回転の様子を確認します。作動にムラがなければ残りの直進キーを清掃致します。
取り付けネジ穴もピンセットに細く巻き付けて清掃します。
あるいは、モールを利用しても良いですね!