修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.05.17【Vol.955】
人間のF値より明るいと言われたF値0.95のレンズは重い。
内面のコティーングは柔らかく、出来れば招き入れたくはありませんね!
この個体持病?のクモリが発生しておらず、ヘリコイドのムラであるからして手入れをしてみました。
バヨネット環を止めている4本ネジを外すと、固定環も外れた。
ヘリコイド部の二か所の穴より鏡筒部を固定している黒い固定環が見えた。
黒い固定環は、ヘリコイド部と鏡筒部が緩まないよう強く締め付けてありました。
ヘリコイド部と鏡筒部に分離されました。固定環はヘリコイド部の中間に位置しているようです。組み込みの際、忘れないようにしなければなりません。
距離環には8本のネジがあり、番号付きのネジと無しでは締付位置に違いがあります。
後に番号なしのネジは距離表示環を止めていましたので外さなくても問題がないようです。
8本のネジを外しましたから距離環、距離表示環の順に分離する事になりました。
キヤノン7系のヘリコイドの一部は線条仕様では無く滑空仕様になっている経験から締付環を外しました。
思った通り中ヘリコイドと外ヘリコイドに線条は切られていませんで、面の咬合になっていました。
組み込む際は、固定環を忘れないようにして外ヘリコイドに取り付けられている直進キーを内ヘリコイドに差し込みます。
中・内ヘリコイドは両側に抜けて終端位置が探れませんでした。
そこで金属定規でとおせんぼをして両者の面を平面にし、罫書きを入れます。
スポンジにベンジンを含ませ線条を清掃致します。
後はグリスを塗布して組み立てるだけとなりました。