修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.01.25【Vol.911】
富士川を境にした電源周波数と同じで文化に違いがあり、好んで手掛ける製造元ではありません。この先、如何なる試練が待ち受けているのでしょうか?
思考が先で画像撮影は後手になりました。てな訳で不自然な手順になりました。
定石と考え押さえ環を外しますとG1レンズを押さえていました。
鏡筒直接組み入れ仕様なのか?
G1レンズを除きますとG2レンズ以下の前群レンズが組み品仕様のようです。
此処で、エイヤーと外してもと思いましたが、構造が分かりませんので可否の判定に分解を進めることにしました。
大手門からの分解は無理のようで搦め手より攻めることとして、AF端子を止めている2本のネジを外します。
AF端子を避けると化粧環の溝にグランド端子があります。別途保管後化粧環を外します。
4本のネジを外し、バヨネット環を外します。
押さえ板を外し、絶縁テープを剥がします。
赤○部のリード線のハンダを緩めます。
2本のネジを外し、被写界深度環を分離します。
距離環は鏡筒にテープで止めてあり、テープの上に距離表示シールが重ね張りしてあります。後先を考えず注意深く剥がしたのです。
剥がしたら元に戻さねばなりません。無闇に戻しますと被写界深度環と距離シールの値が合わなくなります。
距離シールを観察しますと白線が引いてあります。と言うことは何処かに合わせる意味と考えます。鏡筒に合わせ位置が無いかを反射光で探すと溝(赤○部)がありました。
距離環を外し、念のため前環を再取り付けしました。
そして現れたのが2個で1組(赤○部)が3組の計6個のコロでした。何で組みコロなのか?外すことで理由が分かったのです。1つのコロは、前群レンズを繰り出す働きでした。
もう1つは、繰り出された前群レンズの回転を前後の動きに変える直進キーの役割だったのです。念のためコロを外す前に鉛筆で罫書きを入れておきました。
前群レンズのみが外れると考えていましたが、一部の後レンズが取り付けられた状態で外れてきました。一部の後レンズはカシメ取り付けで外れないようです。
カム鏡筒にもレンズが残りました。もし最後のレンズの内側にカビが発生した場合は、此処まで分解しないと清掃が出来ないことになります。厄介な仕様でした。