修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2013.07.26【Vol.979】
次回の池袋東武カルチュアカメラ修理講座の教材はOM標準レンズf=1.4又はf=1.8と指定したのです。f=1.4のテキストは書きあげておりf=1.8も大差の無い仕様と鷹をくくっていました。念の為にバヨネット環を外して確認しますと違いがありました。
そのような訳で急ぎ書き上げる事になってしまったのです。
1)ゴムアダプターの摩擦を利用して社名環を外します。
2)前群レンズ組品は3本のネジで固定されています。
1)3本のネジを外し、バヨネット環を分離します。
PV釦・解除釦が落ちてきますが大きな問題にはなりません。但し、組み込みの際PV釦に裏表の指向がありますので注意が必要です。
1)絞り値連絡盤を分離します。(絞り作動盤と絞り値を露出計に伝える盤の2種類から成り立っています。)
2)後群レンズを外します。
1)3本のネジを外して、押さえ盤を分離します。
2)順番に絞り羽根を外します。(画像のように時として油分の湿潤により貼り付いている場合がありますので変形に注意が必要です。
押さえ盤にバネが取り付けてあります。そのバネの一端はL字(赤○部)に曲げられており、絞り羽根作動環を押す作用をしています。
絞り作動環を外します。(組み込みの際は赤○部の咬合に注意が必要です)
1)切らないように距離環に取り付けられている滑り止めゴムを剥がします。
2)距離環を無限位置にして、動かさないよう距離環を止めている4本のネジを外して分離します。
無限位置にて外・中・内ヘリコイドに卦書きを入れます。
直進キーを外します。
1)内ヘリコイドを動かないようにして時計方向に動かしますと終端位置となります。
2)中ヘリコイドの卦書き(実線)は無限位置ですしたね!実線に合わせてソトヘリコイドへ2本(点線二本)の卦書きを入れます。
3)次に内ヘリコイドを反時計方向に回しますと終端位置になります。
4)内ヘリコイドの実線が無限位置でしたね!実線に合わせて中ヘリコイドへ終端位置を表す2本(点線2本)の卦書きを入れます。
卦書きをいれましたら三者のヘリコイドを分離し、スポンジにベンジンを含ませ線条を清掃します。
終わりましたら、グリスを塗布して組み立てていきます。
素直に分解できる場合は宜しいのですが、OMレンズは接着剤を多用しており溶剤で緩めるのが大変です。
此度、教材に選んだのを後悔しました。接着剤が緩まないからと講師を頼りたがる受講生。
努力しないと報われないと思うのですが。。。