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2015.03.06【Vol.208】

梅撮影のはなし その3

マクロ最短撮影

絞りF4.5

絞りF5.6

関東地方ではすでに見ごろを向かえた梅の花。季節の花として人気の被写体です。色あい、花と枝のバランス、背景など撮影がとても難しい被写体であることは以前述べたとおりです。今回は光が強く当たらない曇りや雨のライティングでの梅の撮影を行ってみました。

ここでちょっとおさらいです。よく撮影会などでWBの設定やピクチャースタイルについての質問を受けることがあります。そのときの天候に応じてWBを設定したり、被写体に応じてピクチャースタイルをあれこれ変更することで迷いが生じてしまうようです。

WBはある環境光下において白いものを白く見せるための機能です。カメラのプリセットWB(太陽マークや電球マークなど)は簡易的な色温度補正です。実際の天候に合わせたWBのマークにセットしても被写体の正しい色が必ずしも出るとは限らないということを覚えておきましょう。また、ピクチャースタイルは昔で言うフィルムの銘柄を変更したものと定義できます。色あいやコントラスト、シャープネスなどは撮影者の好みによって決定される項目なので、例えば風景を撮影するから風景モードが正しいということではなく、ポートレートモードで撮影しても間違いにはならないということです。

話しはそれましたが、曇りの天気のおかげで梅に強い影が出ずにマクロで撮影し+補正を行うことで柔らかい雰囲気を演出することができました。背景に空をもってくるとどうしても白く飛んでしまいがちですので、暗めの背景や色の付いた梅を後ろに配置するなど工夫してみましょう。梅についた水滴なども雨の日ならではの写真になります。作例の露出はマルチパターン測光で+1程度、WBはオート、ピクチャースタイルはスタンダード、使用レンズは100mmF2.8マクロレンズ、絞りは開放から背景のボケを確認してF4で撮影したものもあります。マクロでの撮影は必ず開放ということでもなく、ボケの大きさやエッジの立ち方などで適宜絞りを変えておくとボケ味が均一にならず作品にアクセントが付きます。花がたくさん咲く季節。まずは梅の撮影を楽しんでみてはどうでしょう。

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