種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2015.06.05【Vol.221】
路地とは露地とも書き屋根などの覆いがない地面、人家の間の狭い道のことを呼ぶそうです。たしかに、露地と聞けば、家の裏手の勝手口が連なるような通路や、車が通ることは不可能な細い道を想像させます。
今では昔ながらの住宅密集地はだんだん開発されてしまい、古い昔の趣きを持った路地は少なくなっています。一方でそのような古い路地を観光に活かしている街もあり京都など歴史ある街には石畳の路地が残っています。
街スナップを撮影するなかで見えてくる「路地」。そこには人間の生活や地域性が見え、それぞれの特徴も見えてきます。たとえ同じ路地でも天候や時間帯が変わるだけで様子は変化するので大変フォトジェニックな被写体と言えるでしょう。プライベートな空間を感じさせる路地だと入り込むのに勇気もいるし、住人の迷惑になってはいけませんが、地域の人も自由に行き来できる程度の「広さ」を持つ路地であればマナーを守ってお邪魔させてもらいましょう。標準ズームや単焦点レンズ一本もって路地に入ればいろいろな発見があります。路地に止めている自転車、家先の鉢植え、電柱、地面の様子、野良猫などにも出会えるかもしれません。路地そのもの以外に、目線を移すことで幅広く撮影できるのが、路地撮影の楽しみです。
発見する楽しみに期待を寄せてお近くにある「路地」を散策してみてはいかがでしょう。