種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2015.06.12【Vol.222】
写真の題材(被写体)は無限?にあります。極端な言い方をすれば何でも被写体となるわけです。そして、それらフォトジェニックな被写体=写真になりやすい題材を探すことが写真を撮る人それぞれの楽しみや感性ということになるのでしょう。
風景、スナップ、スポーツ、ポートレート、建築物など大きなジャンルがあり、それぞれのテーマをより細分化してみていくと、そこからまたいくつかのテーマを見つけることができます。例えば風景でも、春夏秋冬に分類できますし、滝、桜、紅葉、雲など細かな被写体別に見ていくことも可能です。
今回は建築物=アーキテクチャとされるテーマの中に見つけた装飾にクローズアップしてみました。階段の手すり、窓枠、ガラスのデザイン、ランプ、建物のタイルなど、たった一つ見るだけでもフォトジェニックであることに気がつきます。「建物を撮ろう」というテーマが与えられた際、その建物の外観や内部の撮影を行うのはもちろんだと思います。そして、それだけを撮影するのではなく、建物にあるパーツに視線を向けてみると新しい発見があります。漠然としたテーマだけに捉われすぎずに、むしろテーマの中に潜んでいる、被写体をじっくり観察し、細分化することで見つけることができた被写体を、改めてテーマとして分類し撮影してもいいのではないでしょうか。
写真の講評会などで多く寄せられる質問ですが「何を撮影していいのか」ということを聞かれます。その際「これを撮影しなければならない」というものは存在せず自由です、とお答えしています。写真は与えられたり、教えられたものだけではなく、自身で発見する楽しみがあり、そしてそれを自身の解釈で撮影することがとても大切なのだと思います。