種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2015.08.28【Vol.233】
日本各地に移築保存されている古民家。地方に行くと現役の住居としても使用されており、日本ならではの情景として大変面白いモチーフです。洋館の撮影などと同じく、独特の装飾や民具など大変写真になりやすいのも特徴です。
建物の外観そのものの撮影もいいですが、古民家が持つ畳や土間、軒先などのパーツで見せてもいいでしょう。
古民家というほど古くなく、大正時代や昭和初期の日本家屋になると、障子窓や電燈が増えて室内が明るくなってきます。また、和洋折衷の装飾なども面白いモチーフになります。
古民家は洋館に比べて、外光の取り入れ口である窓が少なく、また天井は大変高いため非常に薄暗く室内の撮影は案外難しかったりします。特に露出もそうですがAFでのピント合わせが非常に難しくなります。土間などで三脚を立てることが可能であれば是非使用したいですが、難しければ小型の卓上三脚などを併用してブレを防ぎます。
ISO感度はもちろん高感度に設定するのですが、室内の暗い部分が画面の多くを占める場合はノイズが目立ちやすいのでISO 1600程度でとどめておくといいでしょう。カメラのセンサーサイズが大きいほどノイズに対してはやはり有利です。また日本家屋は木造のため、暖色系の色合いで見せるとぬくもりが出てきますので、WBを太陽光に設定してもいいでしょう。またアンダー目の露出補正で木目の様子などもしっかり描写できます。
外光が差し込む居間や障子窓、室内装飾など露出とピントに気をつけながら撮影してみましょう。シンプルで落ち着きのある被写体ですが、モノクロで表現してみたりすることで雰囲気ある作品を作ることができるのではないでしょうか。