種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2015.04.17【Vol.214】
動くものを写しとめるためのシャッター速度を気にして撮影したことがあるでしょうか。 高速シャッターになればなるほど、写しとまる可能性は高くなるわけですが、ただし、その動く物体がカメラに対してどういう動きをしているかによっても写しとまる速度は変化します。動くものの速度によって写しとめることのできるシャッター速度は異なりますが、自転車の速度(時速約25km)を基準にした簡易的な表を作ってみましたので参考にしていただければと思います。
表を見るとわかるようにある一定の距離において、カメラに対し直進してくる物体が一番遅いシャッター速度で写しとめることが確認でき、一方、水平に横切る物体が一番早いシャッター速度を必要とします。また、カメラから距離が離れるほどシャッター速度を緩やかにして物体を写しとめることが確認できます。
夜間のスナップなどを行う際など、被写体との距離や位置関係を把握しておけば、少しでもブレが目立たない写真を狙えるかもしれません。ただし、あくまでも同一焦点距離においての変化ですので、望遠で遠くにアップしてしまうと速いシャッター速度が必要になってきます。あくまで自転車は一例ですが、車、電車、波などは距離を変更して撮影できる被写体です。乗り物でなくても、動物、歩く人、走る人など速度の違う被写体はたくさんあります。どう表現するかは自由ですが、撮影位置や距離をあらかじめ意識しておけば、被写体ブレを防ぎ確実に写しとめるための一つの目安が見つかってくるのではないでしょうか。