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2015.02.06【Vol.204】

ピンホール写真を楽しむ話

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カメラオブスクラ(暗い部屋)がカメラの語源であることは有名です。このカメラオブスクラは、もともと写生に利用された箱や部屋のことで、光を部屋の中に導きいれるために、壁に穴を開けたり(ピンホール)シンプルなガラスレンズを使っていました。これに感光剤を組み合せて投影された画像を定着することで写真が完成します。

ピンホールカメラはその写真の原理でもあるカメラオブスクラと同様のものと考えてもよく、極小の穴であるピンホールをレンズの代わりにして撮影を行います。ピンホールの描写は光学レンズでは味わうことのできないとても独特の雰囲気を持つもので世界中に愛好家がいます。単純に小さな穴を通過した光が反対側に逆さに投影されるだけの単純な機構ではあるのですが、その投影面に感光材料を置くことは現代のカメラとなんら変わりはありません。穴の小ささが結局絞りも兼ねているので、実際のF値換算で言うとF140以上となることも多く、そのためピント合わせは基本的に必要ありません。ですが、暗いF値のため露光時間は長くなり、ISO100のフィルムを使用して晴天屋外で5秒から10秒程度、室内ですと30分といったような時間が必要になります。撮影には三脚が必須ですし、なるべくブレがないように風の少ないほうが撮影条件としては最適でしょう。動いているものを写しとめることは困難ですが、空を流れ行く雲の動く様子や水の流れなど、自然界の動きをありのままに写し取ることができるピンホールの世界は魅力的です。

レンズ交換可能なデジタルカメラであれば、ピンホールの空いたレンズキャップ等を利用することで撮影は可能ですし、また専用のピンホールカメラ(フィルム使用)も数多く販売されています。また機構が単純なことから木や空き缶で自作することも容易です。
写真の原理でもあるピンホールカメラでの撮影にチャレンジしてみませんか。

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