種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2015.07.17【Vol.227】
沖縄や九州地方ではすでに梅雨明けとなっているかもしれませんが、本州ではまだまだ天気が気になる季節です。しっとりとした湿度感ある草木の色あいなど雨の日の撮影もなかなか趣があります。今回は水滴の撮影についてみてみます。
葉っぱに付着した水滴の撮影にはやはりマクロレンズの出番です。
標準マクロですと被写体までの距離が近くなってしまうので、撮影できる葉っぱが限られてしまいますので、90mm、100mm以上の望遠マクロが便利でしょう。もっと拡大して撮影する場合はクローズアップレンズや、中間リングの使用も考えられます。いずれも、手ブレ、ピンボケには最新の注意が必要です。
マクロレンズは最短撮影距離、100mmクラスのレンズでおよそ30cm前後まで寄れるものが多いようです。AFでのピント合わせも可能ですが、最短で撮影すると決めたのであれば、初めからマニュアルフォーカスに切り替えてピントリングを最短まで回しておき、あとは自分が水滴にグッと近づいてから徐々に離れていくという方法が手っ取り早いでしょう。被写体に近ければ近いほどピントあわせはシビアで難しくなってきますので、十分注意して撮影します。また、水滴にグッと近づいたときに中止して観察しておきたいのが、水滴への写りこみです。カ独活によってはレンズや撮影者が写るときもありますが、できれば周囲の花や水滴、空など自然の様子が入っているときれいでしょう。
そして、水滴と背景の玉ボケも魅力ではあるのですが、しかし背景のボケが多すぎると、かえって主役である水滴の存在が弱くなってしまいかねません。マクロ=開放F値だけではないということも覚えておくといいでしょう。また、背景を暗い要素で見せると水滴を目立たせることができます。背景の様子も観察した上で水滴を探すことができるといいでしょう。