種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2015.10.02【Vol.238】
海や河川など水の流れや行き着く場所で必ずといっていいほど見かける流木。もともとは自然に生えていた樹木や枝が朽ちて流されていっただけのものですが、最近では家庭用水槽などで水草を生育させるツールとしてや、装飾品としても盛んに利用されているそうです。一方、漁業では網に引っかかるのでやっかいだと、以前漁師さんに話を聞いたことがあります。
そんな流木ですが、同じ形のものが2つとしてない点が魅力です。独特の形状はもちろん、樹木本来の茶色が抜けて白くなったものや、水に濡れることで黒く変色するところなど、被写体としてとても面白いと思います。海や河川に行かなくとも公園の池などに打ち捨てられていたり、自然に任せるままになっているものも多く、比較的手軽に見つかるのも魅力です。
撮り方というほどのものではないのですが、全体を狙うか、部分にクローズアップするか、また大小さまざまなものがありますので、周辺の環境を絡めて狙うなどが考えられます。 作例は都内の公園で見つけた流木です。自然のものか、公園のデザインとして置かれているのかはわかりませんが、コケが生えたりして公園に溶け込んでいました。全体を狙わずに曲線の面白さや水と一緒の情景として狙ってみました。WBを太陽光に設定することで写真に赤みが乗り、木本来の暖かい雰囲気を出しています。