修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2014.04.25【Vol.1086】
本来のブレザオラ(bresaola)は、もも牛肉を塩漬けにしたイタリア北西部の郷土料理。
毎月神田の修理同好会の前の腹ごしらえとして“まないた料理まかない”で昼食を摂るのが恒例となり、大将の仕込みを観察しています。
最初が塩鮭作り、次が鯖の塩締めでした。素材を選び手作りは何事にも代え難い存在です。
その様な所にイタリア料理店がFBにカツオのブレザオラの画像をポストしたのです。
レシピ迄のポストは無く“まかないの大将”の塩締めを参考に仕込むことにしたのです。
刺身用カツオのサクを求め瀬戸の粗塩で全体を包み2時間放置します。
使用する塩は精製塩より素材に余り浸透しない粗塩の方が良いです。
塩締め2時間後に軽く塩洗いしてキッチンタオルで水気を拭います。
埼玉菜園産のフェンネルを加え、赤ワインを注ぎ冷蔵庫で一晩置きます。
ローズマリーを一枝加えた方が臭み消しになると思います。
冷蔵庫へ入れる際、ラップで包み、アルミホイルを被せました。
翌朝、カツオを引き上げキッチンタオルで赤ワインを拭います。
新しいキッチンタオルで包み、冷蔵庫内で乾燥させます。
乾燥させている間に水分でキッチンタオルが湿りますから、様子を見ながら取り換え、位置を変えながら乾燥させます。
実は作り方は暗中模索で、もう一日程乾燥させた方がと思うのですが、家族は生ものだから早めにとの事で夕食の肴となりました。
切る時、包丁の切れ味は大事ですね!阿波国蕎麦友さんに研いで頂いた築地有次は、しのぎも綺麗に出ており美味しさにつながります。
外観は赤ワインが染み込みこみ食欲をそそる色味ではありませんね!
一切れ切りますと、鮮やかなワインレッドが現れ、塩と赤ワインのアルコールで余分な水分が抜け旨みが凝縮しています。
綺麗な色味ですよね!塩で締めたからと言ってしょっぱくはありません。
ハーブを使用したことで生臭さも感じず張りのある食感がします。
では、このままで味わうか?カツオの定番ポンズで味わうか?でした。
合わせたお酒は鳴門・松浦酒造の生原酒。赤ワインに合わせても美味しいと思います。
又、もそっと薄切りにしてカルパッチョ。これもいいな~ぁ!
カツオは走りで脂の乗りももう一つ。脂が乗りましたらもっと美味しいかも知れません。
塩だれも美味しいかも知れませんね!カツオの漁期は長いので手作り柚子胡椒を作れる季節が来たら試してみます。
もう一度仕込んでみました。今回生臭さを消すためにフェンネルにローズマリーを加えてみました。
埼玉産ルッコラは花盛りです。どうしても合わせたかったので葉の味見をしました。
柔らかさはありませんが胡麻風味とピリ辛が強く良さそうでした。
求めて置いた防腐剤・ワックス未使用の愛媛県岩城島レモンは皮まで味わえ、甘味を感じ穏やかな酸味で美味しいです。薄切りにして一緒に味わいます。
ドレッシングは白ワインビネガー・白バルサミコ・塩・砂糖・ベルギーエシャロット微塵切り・レモン皮微塵切り。
ワインはお手頃なお値段だから求めておいたZinfandel 2010物(増税前2,100円)。
開ける前にチョイト冷やしました。コルクを抜くと爽やかな木イチゴやベリー等の香りがします。口当たりは柔らかくしてフルボディーの力強さが口中に広がり、僅かな渋味が咽頭に残りました。
カツオのブレザオラをルッコラと共に食せば、仄かなハーブと赤ワインの余韻を感じルッコラのピリからと胡麻風味がそれぞれの材を引き立ててくれました。
お~っ!!グラスに注がれたZinfandelが酸素に触れ味わいが大きく変化したのです。
それは、力強さを残しながら角が取れ円やかになり、咽頭に残る渋味が減少し、より味わい深くなりました。このワイン好きになりました。