修理人たぐちの徒然日記コラム・ギャラリー
2015.01.16【Vol.1186】
ドイツ製GOERZ D.R.P.共に頂きましたミノックスⅢ型と専用露出計です。
シャター幕走行に難有りでした。
隠居人、先にも後にも手を付けたことがありません。どの様な機構になっているのか?興味が湧き腑分けに挑むことにしました。
外装を外すべきネジは外装蓋を引き出すと側面外装蓋に2本のネジがあり、外しますと分離できました。
赤○部のネジを外したくなりますが、未だ外してはいけないのです。
隠居人、修理講座で矢鱈にネジは外さないようにと指導しています。ミイラとりがミイラに成りまして外してしまいましたから速度ダイアルを収めるに考えてしまいました。
注意深く観察していれば減速歯車組み品の一部が露出していたのです。
露出していたのは、機械式時計にも組み込まれているガンギ車とアンクルでした。
減速歯車組み品がオイル切れになりますとガンギ車の側面を滑るアンクルの動きが悪くなりますのでチリチリで休みチリチリとチリチリ虫が住み着いてしまいます。
簡易的に働かすのであればガンギ車とアンクルにアストロオイルを少量注油すれば済みました。
処が安易に赤○のネジを外して、外せない物かと動かしてしまった事で不具合が広がってしまったのです。
さてと、他に外せるようなネジは見つからずです。巻上外装を外す手立てはあるのか?
気になるのがフィルム室から見える大きなネジです。しかし専用工具が必要な位置にあります。
何か代わりになる物は無い物かと持ち出したのがシュパチュラです。先端が肉厚です。
ネジ溝に入るよう研磨して外すことが出来ましたが、意を決する迄二日を要したのです。
巻上外装を外すことが出来ました。
巻上外装を外しましたら金属製シャター幕も外れてきました。
剣呑です。もう少しで金属製シャター幕を傷めるところでした。
初めての事で正しいかが分かりませんが、シャターをセットしたままで巻上外装を分離すれば良さそうです。
シャターをセットしておけば先幕・後幕は係止されているので飛び出てきません。
上外装を止めている赤○部のネジを外し、黄色○部のフックを逃がすと分離出来ました。
結果、上外装を元に収める事が出来ましたがT秒時のみ働きません。
でも、低速音はリズミカルな音色が戻りました。