種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.02.12【Vol.256】
一面の雪景色といった白銀の世界とは程遠いですが、都市部でも年に数回雪が積もります。昔に比べれば雪が減ったといわれていますが、一度大雪が降ってしまうと、街中が混乱してしまうのは都市部の欠点ですね。
中では広い雪景色や雪山を撮影することは適いませんが、街中ならではの雪スナップを狙っていろいろな被写体を見つけてみても面白いでしょう。雪そのものの美しさというよりは雪をからめたスナップ撮影です。撮影は面倒でも雪がやんでしまってからよりは雪が降り続いているときのほうが、撮影時の情景が伝わってきます。また日中、陽が差してきたりすればすぐにべちゃべちゃになってしまうのも本州で降る雪の特徴で、北海道のような寒冷地のさらさらな雪が積もることはなく、泥ですぐに汚れていってしまいますので、撮影はできれば降っている最中か降った直後がいいでしょう。なお、降っている最中だと、機材が濡れたりレンズに雪が付着しますが、レインカバーやタオルなどを利用して適宜機材を保護することも大切です。気づかないうちに雪が溶けた水分でカメラやズームレンズ周りが濡れていることもあります。機材の隙間に浸透した水分は思わぬトラブルに繋がり
作例を撮影した日は晴れることなく雪が降り続いて暗い曇り空でした。コントラストは弱く被写体にメリハリは出ませんでしたが、雪の降る様子や、表情は出てくれました。シャベルと灯油タンクの写真は、色が少し乗ってくるように画像処理でコントラストを付け、周辺光量落ちを残しています。公園の樹の写真2枚は、薄暗く雪が吹きすさんで寒そうな様子が伝わるよう、コントラスを弱くフラットな光を与え、わずかに彩度を残しつつモノクロのイメージに近づけています。普段はなんてことなく見過ごす身近な場所や素材であっても雪が乗っかるだけで違った景色に見えてきますので、カメラ1台レンズ1本で雪スナップにチャレンジしてみてはいかがでしょう。