種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.10.28【Vol.293】
落とすと割れてしまう繊細な雰囲気をもつガラス器やグラス。何処の家庭にも一つは必ず備わっている身近な存在です。ガラス独特の透明感、反射など光との組み合わせによって変化するそれらの表情は写真の題材としても最適です。さまざまな装飾が施されたグラスや食器、切子などの美しい形をありのまま狙ってみたり、シンプルな形ながら緩やかなカーブを形成していたり、エッジの部分や素材の薄さなどにクローズアップして狙ってみるといいでしょう。また、実用としてではなく室内の装飾として、洋館などに展示されているガラス器やグラスも現場の様子と絡めて撮影してみても面白いでしょう。
大抵の場合室内での撮影となり、明かりは室内に差し込む外光及び室内照明にゆだねられるので、手ブレに気をつけます。特にマクロレンズなどでクローズアップする際はブレが大きくなるので注意します。感度をISO800 ISO1600と高く設定しておくことをオススメします。なお、自宅でガラス小物を用意して撮影するのであれば三脚を利用して撮影しておけば安心です。加えて照明も電球型LEDランプを1~2灯用意できれば、いろいろな角度から光を当てて自分なりのライティングも楽しめます。
作例はそれぞれ、江戸切子、ワイン栓、ビールグラスです。江戸切子の工場で撮影させてもらった1枚は、独特の模様にマクロレンズでクローズアップしてみました。洋館に展示されていたワインボトルには付属するワイン栓の槍型の形状が面白かったので撮影しました。室内の照明が裸電球だったので、WBを太陽光にして電球の色を残しています。最後にビールグラスの写真は自宅で撮影したものです。板ガラスの上にグラスを置いて下から電球を1灯当てて撮影しています。