種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.11.04【Vol.294】
都心部の本格的な紅葉の色づきは例年11月最終週から12月1週目あたりです。今年は長雨の影響や晴れの日が少ないようにも感じられるので、いささか紅葉の色づき具合が心配です。すでにピークを過ぎた場所もあるとは思いますが、今年の紅葉はいかがだったでしょうか。
さて、桜同様に紅葉もピークはほんの1日か2日しか無いともいわれ、タイミングが難しい被写体です。撮影時の天候も気になるところですね。晴れた日であれば、反射をPLフィルターで調節しながら紅葉の色に変化を楽しめますし、逆光による透過光の写真もきれいです。一方で曇りや雨の日の撮影はやや敬遠されがちですが、植物を撮影する時には意外と楽な天候だったりします。晴天時のような強い光による余計な陰影が花に落ちることなく、均一にやわらかい光が被写体にまわることで、キレイな色を演出してくれるからです。もちろん、光が弱いから、太陽が出ていないからといってPLフィルターの効果がなくなるわけではなく、十分活用できます。実際の見た目より色濃く彩度がわずかに強い雰囲気に仕上げることも条件次第で可能です。
作例は小雨が降る薄暗い天候で撮影した紅葉です。個人的には爽やかな冬晴れの天気よりは少ししっとりとした薄曇の天候での紅葉撮影が好みです。WBはすべてオート。ピクチャースタイルはスタンダードに設定しています。可能な限り三脚を使用し、遠景の被写体は絞りをF11からF16程度で撮影することがほとんどです。PLフィルターを使用してコントラストの調整を行ったものは、実際の見た目より色が鮮やかに演出されていますので、RAW現像時に彩度やコントラストを上げる処理は特別行っていません。