種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.10.14【Vol.291】
コスモスは9月10月を代表する花といってもいいでしょう。地域の公園、畑のわき道、河川敷などでもその姿を目にすることができます。
大きいものでも直径10cmにも満たない花ですが、生長して茎が伸びて細長く高さがあるコスモスや、密集して高さがまちまちに咲くことも多いので、ある程度の撮影距離を保って望遠などで数輪を狙うと楽に撮影できます。一方公園など手入れの行き届いた場所だと花の高さも揃っていて、撮影位置も自由に変更できるので撮影しやすいのではないでしょうか。拡大倍率こそ高くありませんが、標準ズームの望遠側(70mmや100mm前後)で接近して撮影するだけでも花を大きく狙えます。マクロほどのボケは期待できませんが、周辺の状況が適度にボケた自然な様子が撮影できます。
株を手入れして植えられたコスモスは、人の背丈より低く咲いていることが多く、見おろすような形のカメラアングルになりがちですが、コスモスの高さにカメラ位置をあわせて撮影してみることをオススメします。そうすれば望遠やマクロを使えばボケを作りやすく、またコスモス畑の地面の土色を見せることなくフレーミングできます。
ピンク、白、黄色、オレンジといった色が特徴のコスモスですが、撮影時の光の状態でもそれら色の見え方は変化します。日陰や薄曇の光の下で、プラス補正をかけて撮影すれば薄ピンクや白のきれいな淡いグラデーションが表現できます。反対にオレンジや黄色など淡い紫などは色濃く仕上がります。WBを変更しても色の変化は楽しめますが、わずかに赤みがほしい場合は太陽光、通常はオートWBが自然な色を演出してくれます。仕上がり設定に関してですが、風景モードやビビットなどに設定すると色のバランスが極端に変化してしまうこともあるので、個人的にはナチュラルなどあまり色の変化が付かないモードがオススメです。
作例はそれぞれ、マクロ、望遠、標準ズームを使用して撮影したものです。
マクロレンズの写真はWB太陽光でやや赤みを強く演出。望遠300mmの写真は逆光で+1の露出補正、オートWB。標準ズームの写真は薄曇りの中で撮影。焦点距離70mm、最短撮影距離で撮影して背景が適度にボケてくれました。