種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.07.15【Vol.278】
被写体の反射除去、コントラストUPなどに使われるPLフィルター(C-PLフィルター)。カメラやレンズを購入した際に、レンズプロテクトフィルターと一緒に購入された方も多いかもしれません。
回転枠を回すことで偏光効果が得られ、結果として被写体がもつ反射を取り除くことができます。回転角度によって効果に強弱が付けられますし、また被写体に対するレンズ面(フィルター面)の角度の違いによっても反射除去の効果は異なってきます。特にウィンドウガラス、青空、葉っぱの表面、水面などの被写体とPLフィルターを連想します。
太陽の光のある屋外に限らず、被写体にわずかでも反射が見られれば、偏光効果は得られますので、室内での撮影にもPLフィルターは使用できます。光があるところには必ず反射がありますので、ほとんどのシチュエーションにおいてPLフィルターの効果は得られるとも考えられます。
次にPLフィルターが持つ欠点についてですが、一つ目は光の透過量が減ってしまうということ、二つ目は写真にわずかながら色が付く可能性、などが挙げられます。光の透過量に関しては2段~3段程度露光量が減ってしまうので、シャッタースピードの低下などに注意が必要です。写真に対する色ですが、わずかながら写真全体にアンバー色がかかる場合があります。これは太陽の出ている時間帯、湿度や空気(大気)の状態など気象条件によっても変化するのではと考えられます。また、使用するフィルターの種類によってもその表れ方に違いがでるようです。
いずれにしても何かしらのフィルターをつけてしまえば、フィルターが装着されていない状態のレンズ本来の写りではなくなってしまうと言えるでしょう。意図していない写りになることさえあるのがフィルターですので、面倒でも効果を得たいときにだけ、その都度使用し、フィルターを常につけっぱなしというのは避けたほうが賢明なのかもしれません。なお、本来フィルターはレンズフィルター径にあわせてそれぞれ求めなければいけませんが、ステップアップリングなどを併用することで、一枚のPLフィルターを複数のレンズに付け替えて使用することも可能です。
次回はPLフィルターを使った実際の作例を見ていきたいと思います