種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.03.11【Vol.260】
3月に入り暖かい日も増えてきました。日照時間も長くなり、撮影時間も自然と長くなっていきます。真冬に比べると太陽の角度はそれほど鋭くないのですが、今の時期、午後3時ごろの光はやや暖かみのある色をもって斜めの角度から差し込んできます。
今回はその光によって出来上がった影の様子を狙ってみます。影そのものが持つ形の面白さ、影と対になる光とのコントラスト、影が落ちている場所の様子など探すとさまざまな表情を見ることができます。もちろん太陽に限らず、照明などの光があれば影は現れてくれます。
足元や壁面などに落ちる影を見つけ、見る位置を上下左右と体を動かして観察することで、写真になりやすい素材として作ることができます。影との距離でその様子が大きく変化してくるということです。光が強く直線的であれば影の輪郭もしっかりと現れますし、拡散光のように弱いひかりだとその輪郭は柔らかくボケてきますし、影自体も薄く見えます。
影そのものをしっかりと暗く表現するにはもちろんマイナス補正(-2くらい)が有効ですし、また、画面全体に影が占める割合を多くすれば、影が持つ暗いというイメージをより一層強くすることができるのではないでしょうか。露出によるシャドー部の演出と、構図による影のイメージを演出、この2つをまずは意識しながら撮影してみましょう。