種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.09.02【Vol.285】
2つとして同じ姿形になることがない波模様。寄せては引いてを繰り返す姿はじっと見つめていても飽きません。
望遠レンズで遠くから迫る波濤を捉えたり、少し高いところから海岸線を入れて、波の様子を狙ってみても面白いでしょう。ゆったりと打ち寄せる穏やかな波が海岸線の形に沿って規則正しく作る模様はとても造形的です。岩場に打ち付ける荒々しい波を高速シャッターで写しとめたり、はたまたスロースピードでわざとブラしたりと波の動きを表現してみましょう。波が岩場で砕けて流れていく様子も狙ってみてください。コントラスト高く、モノクロで仕上げて見てもいいでしょう。特に晴れ間の少ない曇天のときなど、岩場を黒でしめて、波を白く見せることでメリハリある写真に仕上がります。PLフィルターも有効で、波の照り返しであったり、背景の空などをくっきりと見せることができます。
また、波打ち際を撮影する際は、波もしくは砂浜とピント位置を変更して撮影しておきます。波そのものをモチーフに撮影するだけでなく、波に洗われた砂粒が見せるディティールも面白いからです。
波一つとってもさまざまな表情を見せてくれます。天候によってもその見え方や大きさは変わってくるはずです。単調な写真になりがちですが、観察すればするほどいろいろな姿が現れて夢中でシャッターを切ってしまう被写体です。