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2016.11.25【Vol.297】

昔の露出計の話

カリキュレータータイプ

光くさび型

今も昔も露出の決定は写真を撮影するために欠かせない要素です。誤った露出を設定してしまえば、得られる像が明るすぎたり、暗すぎたりといったような失敗写真となってしまいます。今とは比べものにならないほどフィルムなどの感光材料が高価で、撮影できる枚数も限られた昔は一枚の写真が貴重です。効率的そして経済的に撮影するためにもカンや経験に頼らずとも被写体の適切な明るさを示してくれる露出計は撮影の必須アイテムでした。

19世紀後半に完成したもっとも初期の頃の露出計は、紙や木、金属板などでできていて、そこに印字された露出決定に関するファクターを当てはめて行きながら露出を求めるカリキュレーターのようなものでした。露出決定に関するファクターとして例えば、撮影時の季節、時間帯、天候、そして被写体の種類や置かれた状況(室内、屋外、反射の有無、遠い景色、近い景色、建物など)などが挙げられます。そこに加えて、感光材料の種類やフィルター係数を露出計に設けられた目盛りに当てはめていき、必要な露光量を導きだします。このカリキュレータータイプの露出計は電気式のものに比べ格段に安価で手軽に手に入ることから時代ごとに改良を重ねながら、戦後に至っても広く使われました。

また、直接被写体に当たる光量を読み取る、光学くさびを利用した露出計(ダークスクリーン式と呼ばれたりします)も普及します。形状は小型の望遠鏡のようなもので、露出の求め方はまず、露出計を被写体に向けて覗きます。そしてそこに現れる数字もしくは被写体が視認できるギリギリの暗さになるところまで筒を回転させる、もしくはもっとも暗く表示されている数字を読み取り、筒の表面に印字された露出表に照らし合わせて絞りやシャッター速度を求めるというものです。慣れは必要ですが、屋外はもとより薄暗い室内などでも計測することも可能です。

今のデジタルカメラであればすでに高精度の露出計が備わっていますし、明るさを確認しながら一枚ごとに撮影することも簡単にできるので、露出を失敗することへのリスクや不安はあまり感じません。ですが、一昔前はというと・・・。正確な露出を得るためにも一苦労だった時代の写真アクセサリーのご紹介でした。

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