種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.09.23【Vol.288】
明部の白トビや暗部が暗くつぶれてしまうのを軽減できるHDR機能。前回お話したように輝度差がある被写体を撮影した際に、肉眼で見えているときのように明暗部のトーンを残した状態で画像を記録できる点がメリットです。一方で普段撮影する写真とは違って少し現実離れして見えたり、コントラストが弱くフラットにみえてメリハリの失われた写真に感じることもあります。明暗部の階調がすべて表現しきれないということも写真ならではなのかもしれません。
とはいえ、HDR合成を使って撮影、処理された写真はインパクトがあり目を惹くものがあります。突き詰めていけば画像処理に時間をかけることもできますが、初心者の方でもとっつきやすく、簡単な操作で一風変わった写真を作りことができます。カメラ内のHDR機能を使う場合はシャッターを一度押すと連続撮影が始まり自動でHDR写真を生成してくれます。カメラの機種によってはHDR合成を行う際の細かな処理項目を変えられるものもあります。画像処理ソフトを使用すれば、カメラ内HDRで得られる写真よりも自由度の高いHDR合成写真を作れます。
主に明るさや彩度など「色」に影響するパラメーターであったりコントラストのように「写真全体の調子」を大きく変化するパラメーターを調整していきます。基本的には1枚画像があればOKですが、撮影にあらかじめ露光条件の異なる(明るいもの標準的な明るさのもの、暗いもの)写真を撮影しておいて重ね合わせてみてもいいでしょう。
画像処理ソフトを使用してHDR合成を行い、明暗差を少なくしたもの、油彩風に仕上げて色をもの、グラフィカルでモノトーンに仕上げたもの作ってみました。