種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.01.08【Vol.251】
遠くの被写体を大きく撮影したり、近づけない被写体や乗り物動物などを迫力ある写真に仕上げるのに欠かせない望遠レンズ。一般的に135mm~300mmまでの焦点距離を望遠レンズと呼んでいて、それ以上は特に超望遠レンズと呼んでいます。いまではエントリークラスの一眼カメラにもレンズキットとして付属するなど、300mm程度の超望遠撮影は身近なものとなっています。
望遠レンズにはいくつかの特徴があり、遠くの風景を手前に大きく引き寄せる効果や小さなものを大きくみせる効果、実際の距離よりも遠くのものと手前のものが狭い範囲に密集したような圧縮効果、実際の見た目では感じることのできないような背景のボケなどが得られます。特に引き寄せ効果、圧縮効果、ボケ具合などは望遠になればなるほどその効果は顕著になっていきます。
目の前に広がる景色の一部分であったり、被写体の特徴的な部分にクローズアップしたりと、シチュエーションに応じて撮影イメージは異なりますが、いずれにせよ、部分を切り取るといった発想が出てきます。また、圧縮効果などは人間の肉眼ではイメージすることができない写真ならではの表現です。絞りを開けてボケを活かすことにより主題を明確に表現するのにも望遠レンズはオススメです。
望遠レンズでの撮影で最も注意したいのはブレです。手ブレはもちろんですが、三脚を使用してもぶれのリスクは広角レンズより高くなります。ブレをなくすには速いシャッター速度を常に意識しておくことが大切で、三脚もできれば大型で安定性の高いものを使用するといいでしょう。また、超望遠レンズや大口径望遠ズームには三脚座がありますが、これはブレを軽減するというわけではなく、機材の重量を適切な重心位置で支えるためのものと考えておくといいでしょう。