種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.06.17【Vol.274】
梅雨の季節、撮影に出かけるのもおっくうですが、雨がもたらしてくれる被写体の変化は非常にフォトジェニックです。
水滴を付着させた植物、雨に濡れることでしっとりと色濃く写る木々、風景全体を霧のように包む細かい霧雨など、雨の一日でもさまざまな被写体に出会えるのではないでしょうか。また、滝や渓流などの水をモチーフとした被写体と雨の組み合わせも素敵です。濡れた岩やコケの様子などが白い水流にいいアクセントを与えてくれます。
雨の日は光が少ない分、陰影を生かした描写は狙いにくいですが、フラットで画面全体に均一な光がまわりやすいともいえます。そうしたライティングだからこそ見えてくる湿度感、色など被写体の持つ細かな表情にも注目して撮影してみましょう。もちろん水滴や雨粒そのものが写っていなくても、雨上がりに見つけた自然風景も面白いでしょう。なお、光が少ない分シャッター速度は遅くなります。風景ですので三脚を使用することも多いかと思いますが、ブレを抑えるためにもISO感度の設定などにも注意しておきましょう。
雨の日の風景撮影時は機材の保護をこまめに行います。レインカバーのほか、タオルも数枚用意しておくといいでしょう。レンズに付着した水滴はもちろん、レンズ鏡筒部分の水滴も拭いておきましょう。自宅に帰ったら、レンズマウント部分の水滴など細かい場所にも気を配り、またカメラの保管はカメラバッグなどに入れっぱなしにするのは絶対に避けて風通しのいい場所や、よく乾燥させた上で防湿庫やドライボックスなどに保管して置きます。