種清豊のフォトコラムコラム・ギャラリー
2016.12.09【Vol.299】
露出やフレーミング、レンズの焦点距離など撮影にかかせない要素はたくさんありますが、先ず始めに被写体を肉眼で確認した時にカメラマンが最も意識するのは光の状態ではないかと思います。撮影者の後ろから被写体に向かって当たる「順光」、被写体方向からカメラに向かってくる「逆光」、その他太陽の位置、角度によって斜めから光が飛び込んできます。
順光であれば被写体にしっかりと光が当たりコントラストの良い写真を撮影できます。言い方を変えると明暗がしっかり出る写真が撮影できるということです。
一方で逆光の場合は、極端なシルエットを表現したり、写真全体をふわっと明るく表現することも可能です。被写体の輪郭を強調する(被写体を浮き上がらせる)場合にも逆光は利用されます。順光の時とは違った印象でグッと暗くしまった影を作ることができるので、ドラマチックな写真に表現することもできます。また、集合写真など人物撮影において、人物の顔のパーツに余分な影がつかず、フラットで柔らかい光を手軽に得られることから、逆光で撮影することがよくあります。また背景を明るく飛ばす際にも逆光は有効です。
順光で綺麗に光が当たっているシーンに限らず、逆光、斜光といったライティングを意識して探すだけでも、撮る写真のバリエーションは増えてくるのではないでしょうか。
今回の写真は水辺をバックに、逆光で水面に反射した光(玉ボケ)を意識しながら撮影したものや、シルエットを表現したものを掲載して見ました。